沖縄 喜屋武の伝統行事『けんか綱引き』は時間無制限の真剣勝負だった!

南風原町 喜屋武綱引き

沖縄に移住して5年目になりますが未だ沖縄の綱引きを見たこがなく、お付き合いのあるウチナーンチュの大城ご夫妻から「地元で近々綱引きがあるから是非見に来て!」とお誘いをいただき見に行くことに…。
南風原町喜屋武は人口わずか1250人の小さな集落において、年に1度の綱引き「けんか綱」とも呼ばれる伝統行事。沖縄のディープな真夜中の熱い綱引きに密着(^o^)/

夜9時半に綱引き場所に行ってみると、東(アガリ)側の綱を出し始めていました。綱引きがいつ始まるのかを聞いてみると…。開始時間が決まっていないそう。なるほど~沖縄時間あるあるですね(^^;)

沖縄 南風原町喜屋武の綱引き

綱は大人が40~50人集まって1日で作り上げるそうです。こんな長い綱をたった1日で作っちゃうって凄い!!

喜屋武綱引き 東(アガリ)の雄綱

もう夜の10時になりますが人はまばらで、綱引きはまだ始まる気配がありません。

南風原町 喜屋武の綱引き

気になる西(イリ)側の綱も見に行ってみることに…。綱にかけられていたブルーシートがちょうど外されたところです。

喜屋武綱引き 西(イリ)の雌綱

喜屋武綱引き 西(イリ)の雌綱

【沖縄の綱引き】
ー豊作を願う旧暦6月25日の「カシチ―」折り目(豊作や健康の祈願)、26日「アミシ」の祈願(雨の祈願)に行われ、沖縄の農耕暦に密接に関連した行事であるとされています。綱引きはその集落を二分、東(アガリ)と西(イリ)に分かれて行われます。綱引き大好きな住民を「綱虫(チナムシ)」と呼ぶそうです。

地元の人に話を聞くと「小学生の頃から綱引きに参加しており、集落の伝統文化」。その歴史は古く、100年以上?とされていますが、はっきりとしたことは分かりません。喜屋武では旧暦6月25日に2戦、翌6月26日に1戦、合計3戦の綱引きが行われ勝利を競います。今年は7月27日と28日に開催されました。

綱引きの綱は稲わらでできていて、雄綱(おづな)と雌綱(めづな) があります。雌綱の輪のなかに雄綱が入って、そこを「カヌチ棒」という木の棒でつなぎ合わせて綱引きを行います。東(アガリ)は雄綱、西(イリ)は雌綱。そして喜屋武の綱引きで特徴的なのは綱引きの場所が平坦でないことです。

西(イリ)はゆるやかで道幅がありますが、東(アガリ)はカーブした上り坂。そのため、東(アガリ)の綱は、西(イリ)の綱に比べて、長く作られていて、一方が有利にならないように工夫されています。

喜屋武綱引き 図解

夜10時を過ぎると少しずつ人が集まって来ました。子どもたちは夏休みということもあり、綱引きがある2日間は何時まで起きていても良いそうです。

南風原町 喜屋武綱引き

午後10時半過ぎ、坂上からドラの音と松明に囲まれて、ゆっくりと東(アガリ)の綱が運ばれてきました。

南風原町 喜屋武綱引き
松明に灯され、目の前で持ち上げる東(アガリ)の雄綱は迫力がありすごい!!
南風原町 喜屋武綱引き

南風原町 喜屋武綱引き

アガリの綱が到着して…何かが起こる? 東(アガリ)と西(イリ)のケンカが始まる??と思ったら、若者同士、体をぶつけ合っています。殺気があって迫力満点!!続いて棒術を東(アガリ)と西(イリ)交互に披露。

南風原町 喜屋武綱引き

恒例の儀式?が終わると、お互いの綱の輪っかを引き寄せて綱を合わせるまで時間がかかっています。カヌチ棒が入るまで青年同士が小競り合いー。

南風原町 喜屋武綱引き

南風原町 喜屋武綱引き

綱引きが始まる寸前の光景は熱気がスゴイ!!

南風原町 喜屋武綱引き

掛け声が聞こえ、綱引きが始まりました! 綱を引いている人と観客の応援の声が響きます!こちらは東(アガリ)側、坂の上まで大人も子どもも一緒になって一生懸命に綱を引いている姿に感動!!

南風原町 喜屋武綱引き

西(イリ)側も大勢の住民が一体となって一生懸命に綱を引いていて、どちらも一歩も譲りません。

南風原町 喜屋武綱引き

写真を撮っていたら、応援しているおばぁに話かけられ「夫婦でもこの時は別!私は東(アガリ)で旦那は西(イリ)この時だけは敵同士だから、負けられん」。夫婦でも別々の組に分かれているそうです。

南風原町 喜屋武綱引き

綱引きの勝敗、それはどちらかが一定の距離まで綱を引いた方が勝ち、というルールが一般的。喜屋武は違い、あきらめた(手を離した)方が負けだそうです。というルールのため時間制限はなく力勝負というより根性合戦だとか。綱は東(アガリ)側の方へ少しずつ引っ張られ、1戦目は東(アガリ)が勝ちました。

南風原町 喜屋武綱引き

2戦目も東(アガリ)が勝ち、翌日の3戦目も東(アガリ)が勝ち。2019年の喜屋武の綱引きは東(アガリ)が勝利しました。東(アガリ)側の人達は「綱引き歌」を歌いながら勝利の舞いを踊っていました。
喜屋武の集落の老若男女問わず、住民が一体となって伝統文化をつないできた大きな愛を感じました。そしてこれからも受け継がれていく喜屋武の綱引きを来年も見に行きたいと思います。

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